音楽 - モジュラーシンセ - モジュラーシンセで必要なもの
高優先:財力
残酷だがモジュラーシンセはさまざまな楽器と比較してもひたすらに財力が必要となる
安定した収入が無いと満足に楽しめない可能性があるので財力が必要となる
高優先 : モジュール別
最優先:電源モジュール
様々なモジュールに目に行きがちだが、モジュラーシンセでは何より電源が最優先である
電源が無ければモジュールも動かない
ちょっとした落とし穴だが、モジュラーシンセのケースを購入した時も
電源がついていないタイプなら電源モジュールの導入が最優先となる
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Behringer CP1A
- 個人的にずっと使っているモジュール
- 安価で問題なく使える
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Tiptop Audio Happy Ending Kit
- ケース(フレーム) と電源がセット
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電源から逆算するとフレーム費が破格ではある
- ラックマウントできるなら有用
- ラックなしでスタックできないのが難点
- 卓上フレームとしては角度がつくので扱いやすい・・・と思う
次:ケース
モジュールを卓上にぶちまけるのもいいが、ケーブルの抜き差しの際、
結構力が居るのでモジュールを押さえながら配線するのが面倒になってくる
数が増えてくるとぶちまけだと汚くなるのに加え、裏側が基盤むき出しなのでショートの懸念が出てくる
それらを解決するために、やはりケースは検討しておいた方が良い
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簡易フレーム
- DIY
- 最初のお試しぐらいなら間に合う程度
- もうちょっとDIYして、道具箱に穴をあけてネジ/ナットで固定ぐらいまでやればもう少し安定感は出ると思う
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Tiptop Audio Happy Ending Kit
- 上述
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Vivicat Green製
- 日本製
- 木製
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試算してみればわかるが、かなり破格である
- というのも、ねじ止めするレール(バーナットというらしい)は意外に高く、例えば自作しようとするとそれで結構値段がする
- 材料費から加工費、手間賃など考えると、値段の妥当性、もしくは安さがうかがえる
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Takazudo Modular製
- 日本製
- アクリル製と3Dプリンタ製がある
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卓上なら格安でおすすめ
- 電源が付属しないものが多いので、上述の電源も検討
次:パッチケーブル
これも結構な落とし穴で、「モジュールを揃えた、さあモジュラーシンセやるぞ」
と思った段階で気づきがちなアイテム
モジュラーシンセをモジュラーシンセたらしめているのは
パッチケーブルを挿す「パッチング」がある故
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Korg SQ-CABLE-6
- 一般市場で入手しやすいパッチケーブル
- カラフルなので目的別に配線しやすい
- 長さは 70cm ぐらいだったはず
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Korg MS-CABLE-YL
- 一般市場で入手しやすいパッチケーブル
- MS-20 MINI 用のパッチケーブルだが、3.5mm TS なので規格は同じ
- 短いので短距離のパッチングに使うケーブルが整理できる
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osc兄弟製
- 単色のケーブルを多数仕入れて自分色にしたい場合に
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15cm, 30cm, 45cm のラインナップ
- ラックが巨大化してくると、2段上とかが届きにくくなったりするので、70cm や1m のラインナップが欲しいところ
- 同じ段同士をパッチングしていくと、意外と30cmを多用することが多いので、30cm は数買うと良い
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Error instruments Lightning Patch Cables
- 入手性が悪いが有用
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信号でケーブルが光る
- Gate/Trigger のタイミングのためにわざわざインジケータつきのモジュールを通さなくて良かったりするので何かと便利
- 電圧が多少下がるので、これを使うことでうまく入力ができなくなる場合は通常のケーブルに交換を
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Abyss Devices Eurorack Patch Cables
- 入手性が悪いが有用
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120cm と長いのでまず届かない箇所はない
- とはいえ、常に端から端までパッチしないといけないような場合は、モジュールの配置をまず見直した方が良い
- ケースが小さい段階では不要
次
ここからは人により変わってくる
下記は個人的に最初におすすめのモジュールである
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VCO
- Voltage Controlled oscillator
- つまりオシレータ(音源)
- これが無いとまず音すら鳴らないので必須と言えば必須
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おすすめは下記
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Behringer 110 VCO/VCF/VCA
- 格安で VCF/VCA まで付属する
- 最初にうってつけだが、増設しても多用できる
- 最初にチューニングが必要なことだけが難点
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これを触っていると、自然と
140 DUAL ENVELOPE/LFO
が欲しいと思うはず
- 110 だけだと音が切れないため
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Behringer 110 VCO/VCF/VCA
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シーケンサー
- VCOだけだと音楽的な操作は難しいので、それを自動でやってもらう機器が必要
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おすすめは下記
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Behringer 182 SEQUENCER
- とりあえずのシーケンサーとしておすすめ
- 各音程はクオンタイズ(音階に合わせる)されていないので、音楽的に鳴らしたい場合は別途チューナーが必要
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Arturia KeyStep Pro
- 高いが、結構頻繁に半額でセールされる
- キーボードつきでモジュラーシンセを鍵盤付きシンセのように演奏できる
- 多機能故に勉強事項が多いのが難点ではある
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DTM もしているならばMIDIキーボードとして活躍もする
- もしMIDIキーボードを買い替えたいと考えているならば候補としてうってつけ
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Behringer 182 SEQUENCER
コラム:モジュラーシンセの魅力
音楽制作するなら、DTM+VST で間に合うところなぜモジュラーシンセか?
まず一つの魅力として、ランダム性による、自分の想像を超えた音楽性の創造がある
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Mutable Instruments Marbles
- ランダム性を生み出す代表格のモジュール
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現在は生産終了
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クローンを作っているメーカーがある
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Behringer CHAOS
- 現状、最安のMarblesクローン
- デザインが・・・あまり気にしないならおすすめ
- After Later Audio Dice
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After Later Audio Pachinko
- Marbles を小さくしたモジュールが Pachinko
- これ自体もクローンである
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After Later Audio Cara
- さらに小さくしたもの
- こちらもこれ自体はクローン
- Michigan Synth Works Pachinko
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Behringer CHAOS
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クローンを作っているメーカーがある
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Instruo Tagh v2
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モジュールの分類としては「ノイズジェネレータ」かつ「サンプル&ホールド」
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サンプル&ホールドとは「任意の信号を受け、特定のタイミングで信号を送ると、その時点の信号で電圧を固定する」もの
- ノイズは高周波だが、サンプル&ホールドを経由することで、音楽的に例えば16分音符のタイミングで電圧をその時点で固定できる
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サンプル&ホールドとは「任意の信号を受け、特定のタイミングで信号を送ると、その時点の信号で電圧を固定する」もの
- ランダムに音程を生成して音楽的にオシレータを鳴らせる
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モジュールの分類としては「ノイズジェネレータ」かつ「サンプル&ホールド」
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Qu-bit Electronix Bloom v2
- 最近購入したもの、分類はシーケンサー
- シーケンサーながら、「フレーズが成長する」
作曲は自分のクセというのは出がちである
そこに、自身にない要素が加わることで、新たなイマジネーションを得ることができる
2つ目にアナログであること
音がアナログ的に出力されることで、活きている音を扱っている感覚になる
VST でも良い音は鳴らせるが、アナログ的変調には音楽的でもない部分もあるので実装していないものも多い
ちなみに、そうはいいつつデジタルで音を鳴らす機器も存在するので
使っているモジュールがアナログかどうかは要確認
先の Behringer 110 はアナログである
3つ目に「プログラミングしている感覚」である
モジュラーシンセのモジュールの活用方法はかなり自在
例えば、音を鳴らす VCO
モジュールの出力先は基本そのままアウトプットだが、
「高速で動いている電圧」と捉えれば、これを「サンプル&ホールド」に入れてもいいし、「エンベロープ」に入れてもいい
なんなら音をエフェクターに入れて出力された音さえも、信号として扱っていい
VCOが足りないなら LFO を高速化して代用してもいい
・・・のようにアイデア次第でさまざまに活用できる
モジュールはいわばクラスモジュールそのもの
提供されているAPI/メソッドは自在に扱えるということである
この感覚はDTMには無い
4つ目にPCを離れること
これは気分的だが、PC上でやっていると作業感が出てくることもある
そこを離れて、ただそれができるだけの機器を触るということで、音に集中できるのもまた魅力である
私もモジュラーシンセを触りたてのころは
DTMでいいと思っていたが、今はモジュラーシンセもいいなと思っている
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